指先の「検索」を「データベース」へ。エンジニアの視点で見つけた組織運営の脆弱性と解決策【S2-#2】
Season 0として配信していますが、橋本さんが代表を務めていた頃、私は運営の一員としてTURTLESに携わっていました。当時の代表の熱量と、メンバーを想うマメさには、傍から見ていても頭が下がる思いでした。
しかし、その当時の私の目には、その熱狂の裏側に潜む「静かな危うさ」が映っていました。
「超人的な努力」に依存するシステムの限界
当時の運用は、公式LINEをフル活用したものでした。 リッチメニューから日程を呼び出し、ユーザーがイベントIDを送信。代表は送られてきたIDをメッセージ検索し、ヒットした名前を一人ずつ「メモ帳」にコピペして参加者名簿を作成する。そして当日、グラウンドでそのメモと現金を照らし合わせる。
それは、限られたツールの中で導き出された「当時のベスト」でした。 しかし、システム的に見れば、それは「代表の工数」という最も貴重なリソースが、単純なコピペ作業によって浪費されている状態でした。
「運営者がマメであること」が前提のシステムは、代表やほかに担当している人が忙しくなった瞬間に崩壊します。私は主担当ではなかったからこそ、この属人化した運用の脆弱性に気づき、「誰がやっても、あるいは誰もやらなくても回る仕組み」への構造改革が必要だと確信したのです。
なぜ「Glide」だったのか。選定のロジック
そのときには橋本さんも同じことを考えていて、知り合いの開発会社などに見積をお願いしたりする中、私が提案したのが、ノーコードツール「Glide」への移行です。 今でこそ多機能なアプリになっていますが、当時の選定理由は非常にシンプルかつ論理的なものでした。
- スプレッドシートを「脳」にできる: 当時のGlideは、Googleスプレッドシートをそのままデータベースとして活用できました。特別なサーバー構築なしに、慣れ親しんだシートでデータを一元管理できることは、スピード感が求められるコミュニティ運営において大きな利点でした。
- 圧倒的な開発コストの低さ: 本業の合間に、一人で素早くプロトタイプを構築し、検証(PDCA)を回せること。
- 「点」から「線」へのデータ化: LINEでの検索は、その場限りの「点」の情報です。しかし、データベース化すれば、誰が・いつ・どのくらい活動しているかが蓄積され、コミュニティの健康状態を可視化する「資産」に変わります。
「改善」は、人間に「時間」を返すためにある
私がこの移行を提案したのは、単に新しいテクノロジーを使いたかったからではありません。
運営陣が、「LINEの検索窓を叩く時間」を、もっと「メンバーと対話する時間」や「コミュニティの未来を創る時間」に充ててほしかったからです。事務作業をシステムという「定数」に預けることで、人間は「人間にしかできないクリエイティブな活動」に専念できる。
この構造改革こそが、TURTLESが「属人化したチーム」から、自律的に価値を生む「プラットフォーム」へと進化する第一歩となりました。
しかし、当然ながら「仕組み」を変えることは、同時に「人の慣れ」を壊すことでもあります。次回、第3話では、この移行期に直面した「ユーザーからの反発と、リーダーとしての決断」についてお話しします。
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