【TURTLES運営コラム#1】ドイツでの野球体験が変えた私の視点
みなさん、こんにちは。
現在、この野球コミュニティTURTLESの代表を務める早崎銀平と申します。
この度、コラムを執筆していこうと思い、まずは私の少し変わった経歴とTURTLESに運営として関わることになったきっかけやこのコミュニティに込めた思いについてお話していきます。
流れで入部した古豪の高校野球部
私は京都で育ち、小学校5年生の頃に野球を始めました。それから中学でも野球部に所属し、その流れで高校野球の世界に飛び込むことになります。
高校野球、正直舐めていました。
高校は野球部について何も調べずに選んだため、強いのか弱いのかも知らず入学式を迎えました。
その後、体験入部期間が始まります。
制服のままグラウンドに向かい練習を見学していると、同じ1年生が坊主姿でユニフォームを着て既にグラウンドで練習していたのです。
その1年生の正体は推薦入部組でした。
甲子園には特に興味がなかった私は、野球がしたいからという理由で硬式野球部に入ろうと思っていましたが、どうやらそこはそんなお気楽なところではないようです。
そのまま特に紆余曲折もなく、今まで野球をしてきたからということでとりあえず野球部に入部することにしました。
数日後、監督が1年生を集めてシートノックを打ってくれることになりました。
この時皆さんならどこを守りますか?
恐らくそこは守り慣れたところでしょう。
私は違いました。
なんと”人が少なかったから”という理由でサードに立っていました。
これの何が意外かというと、私は中学校のときはセンターを守っていました。
そのとき、小学校ぶりのポジションを選んだのです。
私の母校はそれなりに厳しかったところなので、軟式出身で硬式に慣れてもおらずまともに守れていなかった私はセカンドに移動させられました。(もはや低次元すぎてコンバートでもありません)
「諦めて試合終了」
コンバート(?)先のセカンドにいたのはT君。
どうやら彼は推薦組のようで明らかに動きが違ったのです。
そしてその後、彼は夏の大会に1年生で唯一ベンチ入りすることになります。
「こんなのに勝てるわけないな…」
1年夏、私の高校野球はほぼ終わりに近づいたのでした。
その後、ベンチ入りすることに目標を変えるも、足を骨折して長期離脱、その間に新入生の推薦入部組を迎え、私のチャンスはさらになくなっていきました。
それからの日々は「つらいトレーニングを乗り越えること」がタスク(Task)であり、目標へと変わっていたかもしれません。
(野球においては「負けグセ」がついたような気がします…)
そんなこんなであっという間に高校野球生活を終え、野球においては不完全燃焼のまま大学生活を迎えるのでした。
野球観崩壊?ドイツ野球との出会い
大学に入ったら留学に行く。
高校2年の頃、研修旅行でアメリカ・サンフランシスコを訪れ、異文化交流を経験し、そう決意していた私はドイツへ留学することにしました。
そのドイツで見た野球は日本のものと同じ姿をしていながらもまるで別物でした。
試合開始前には整列をしない、試合が終われば対戦相手、チームメイトとハイタッチをして締める。
ユース世代の選手でも納得いかないことは監督に対して堂々と意見をしていました。
野球というか、完全に文化の違いです。ドイツの人は結構まじめで議論好きなのでフランクと言えばまた違う気もしますが。
そして、ドイツは学生も社会人も年間通してリーグ戦を行っています。クラブ数が少ないため球場の取り合いにならず、専用の球場(中にはサッカー場の跡地もありました)で活動できる恵まれた環境がありましたが、何より感動したのはプレイヤーファーストの「仕組み」です。
ドイツでは、人数が多ければ実力によって1軍2軍(3軍4軍と続く…)に分かれており、「実力によって一切公式戦に出られない」ということが起こらない仕組みが徹底されていました。
ここに人間形成や教育を重んじる日本の「部活動」と社会とのつながりを育むドイツの「社会活動」としてのスポーツへの文化の違いが顕著に表れていたと感じます。
野球に例えれば、エラーをしないことを目指すのが日本。エラーは当たり前、周りがそれを助け合うのがドイツ。というのが個人的な見解です。
TaskからPlayへ。心の底から野球が楽しい瞬間
このドイツの環境が、私を根本から変えました。
高校時代に味わえなかった「試合に出られる喜び」。これがどれほど成長への大きな力になるのかを、身をもって知りました。
周りの選手たちは、ミスや不運なプレーに対しては「仕方ない!」と心から励まし合い、逆にナイスプレーが出ると、まるで自分のことのように喜んでくれる。誰にも怒られる心配がない。結果を恐れず、思い切りバットを振れる。
その時、腑に落ちました。 野球は、グラウンドに立ち、試合に出ることが、プレイヤーにとって何より一番の楽しみであると。
私の胸にあった「負けグセ」や「試合に出られない悔しさ」は、遠い異国の地で、純粋な「遊び(Play)」としての野球に触れることで、ようやく溶けていきました。
純粋な野球を楽しめる人を増やしたい!TURTLESの運営へ
このドイツでの経験こそが、TURTLESの運営に携わり、橋本さんから代表を引き継ぐ原点となりました。
個別参加型野球コミュニティが誕生するきっかけ【TURTLES誕生秘話】
野球の技術レベルや経歴に関係なく、誰もが「純粋な野球の楽しさ」を味わい、「熱く、そして自由に」野球を楽しめる場所。 それが、私たちが東京で目指すコミュニティです。
TURTLESが活動するグラウンドには、私がドイツで体験したあの時の自由な空気が流れています。 次回のコラムでは、プロに進んだ高校時代のの同期・上茶谷選手とのエピソードを通じて、この「遊び」をどうやって「熱狂」へと高めていくのか、その情熱の源泉をお話しします。
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