【現場の誇り】自由な時間は、緻密な「設計」から生まれる。【THE CATALYST-#3】
「自由」をデザインする、という専門技術
TURTLESのフィールドに足を踏み入れた人は、皆にこう感じてもらいたいと考えています。「ここは本当に自由で、誰もが主役になれる場所ですね」と。
上下関係がなく、ミスを恐れず、誰もが自分の限界に挑んでいる。その光景は、一見すると何の制約もない、自然発生的な盛り上がりのように見えるかもしれません。しかし、ARMY(運営スタッフ)の視点は違います。
私たちが目指しているのは、単なる放任ではありません。「自由が自然に溢れ出すように、場を徹底的に設計すること」。これこそが、ARMYという場作りのプロに求められる専門技術です。
誰もが自分らしくいられる「自由な2時間」を支えるために、ARMYはその裏側で、極めて緻密な準備と設計を積み重ねています。
参加者が来る前に、すべてを「整える」
ARMYの仕事は、参加者がグラウンドに現れるずっと前から始まっています。 私たちが最も大切にしているのは、最初の参加者がゲートをくぐる瞬間に、「すでに舞台が完成している」という状態を作ることです。
管理事務所での手続き、道具の運び出し、機材のセッティング。これらを「参加者が来るまでの単なる作業」とは考えません。 道具一つひとつの配置、ボールケースの位置。そのすべてが、参加者に「ここでは思い切り野球を楽しんでいいんだ」というメッセージを無言で伝えるための視覚情報になります。
ARMYがバタバタと準備をしながら迎える場では、参加者は無意識に「気を遣って」しまいます。その気遣いが、挑戦を妨げる小さなブレーキになる。 だからこそ、ARMYは参加者を迎えるその瞬間、すべての準備を完璧に終え、一人の「友達」としてどっしりとグラウンドに立っている。その余裕と安心感こそが、場の熱量を決めるのです。
分刻みの「心地よい規律」
TURTLESの活動は、驚くほど正確なスケジュールで進行します。 受付、挨拶、アップ、そしてメインのプレー。この流れが淀みなく進むのは、ARMYが常に全体の流れを「設計」し続けているからです。
「自由な場」と「ルーズな場」は全く別物です。 進行が滞り、待ち時間が長くなれば、参加者の集中力は削がれ、挑戦への純粋なエネルギーは冷めてしまいます。ARMYがタイムマネジメントを徹底し、次に何をするかが明確に示されているからこそ、参加者は「今、この瞬間」に100%没頭することができるのです。
ARMYが担っているのは、単なる進行役ではありません。参加者の貴重な人生の時間を預かり、その2時間を「人生史上最高」にするための、タイムマネジメントのプロフェッショナルなのです。
「場を回す力」という、一生モノのポータブルスキル
私たちがARMYに求めている、この「場作りの設計」や「緻密な準備」は、一見すると野球の技術とは無関係に思えるかもしれません。
しかし、一見カオスに見える現場を裏側でコントロールし、多くの人を巻き込んで、一つの「安全で熱量の高い場」を成立させる能力。これは、ビジネスの現場であれ、地域コミュニティであれ、どこへ行っても通用する最強の汎用スキルです。
- リスクを予見し、未然に防ぐ「安全管理の視点」
- 限られた時間で最大の結果を出す「プロジェクト管理能力」
- 初対面の人々を瞬時に惹きつけ、一体感を作る「ファシリテーション」
指導者不足に悩む今の野球界が必要としているのは、技術を教える人以上に、こうした「場を回すプロフェッショナル」です。ARMYとしてこの成功体験を積み重ねることは、あなた自身が「どんな環境でもゼロから場を創り、人を動かせるリーダー」へと進化していく過程そのものなのです。
誰かの「最高」を支える喜び
徹底した準備と、淀みのない設計。そのすべての根底にあるのは、TURTLESの3ヵ条の一つである「人を喜ばせること」への執念です。
道具を丁寧に並べる。時間を守る。安全を確認する。その一つひとつの「目立たない仕事」が、誰かの「人生史上最高」を創るための、欠かせない土台になります。 自分のためにやる作業は「仕事」ですが、誰かの挑戦を支えるための設計は「誇り」です。
あなたも、その「舞台裏の誇り」を分かち合う仲間になりませんか。
次回はいよいよ最終回。 この哲学と実務を背負い、エリアを拡張していく私たちのビジョン、そして「あなた」という新しいARMYへの招待状をお届けします。


